【「評定平均値 3.5」でも慶應に合格できた!】昭和とは事情が違い過ぎる、いまどきの「推薦入試」。知らないと後悔する大事なこととは? | NewsCafe

【「評定平均値 3.5」でも慶應に合格できた!】昭和とは事情が違い過ぎる、いまどきの「推薦入試」。知らないと後悔する大事なこととは?

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【「評定平均値 3.5」でも慶應に合格できた!】昭和とは事情が違い過ぎる、いまどきの「推薦入試」。知らないと後悔する大事なこととは?
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「推薦入試を目指すなら、留学していたり、部活や生徒会の活動実績があると有利」

「ハキハキしゃべる子は推薦向き」

「評価平均値が高くないから、推薦もらうのは無理かも」

受験ジャーナリストの杉浦由美子さんによれば、これらは全部「誤解」なのだそう!

親世代の大学受験常識は、もはや通用しない時代。今や大学入試の6割が「推薦入試」と言われますが、情報を入手するのがかなり難しい! 一体、どう対策したらよいのでしょう?

今回は杉浦さんの著書から、推薦入試における「評価平均値」をテーマにお届けしたいと思います。

※この記事は大学受験 活動実績はゼロでいい 推薦入試の合格法』杉浦由美子 ・著(青春出版社)から、一部を抜粋・編集したものです。

「評定平均値が低いから無理」と、推薦入試をあきらめる必要はない!

「推薦入試は評定平均値が高くないと合格できないでしょう。自分は評定平均値が4・0に届かないから無理」

これもよく耳にする誤解です。

指定校推薦は評定平均値が重視されますが、総合型選抜や公募制はそこまでではありません。実際、総合型選抜や公募制を受験した理由を訊くと「評定平均値が足りなくて、指定校推薦がとれなかったから」という答えも非常に多いです。

A大学付属高校の生徒は「総合型選抜でA大学を受験して合格した」といいました。
「内部推薦をとらなかったの?」と訊くと、彼は頭を掻いてこういいました。
「評定が低くて内部推薦がとれなかったんです。それで先生に薦められて、総合型選抜を受験しました」

A大学の内部推薦は評定平均値が3・2以上。しかし、この生徒は3・0だったそうです。A大学の総合型選抜の出願条件には評定平均値の条件がないため受験ができたから、そちらを受験して合格をしました。

かつては、大学の付属校で評定平均値が足りなくて内部推薦をとれない生徒が一般選抜を受験し、系列の大学に進学するというケースが多々ありましたが、今は総合型選抜を受験するというケースも多くなっています。

つまり、評定平均値が高くなくても合格の可能性が広がるのが総合型選抜や公募制です。こう書くと反論してくる人もいそうです。
「早稲田や慶應の総合型選抜に合格しているのは評定平均値が高い子たちじゃないですか。みんな4・5とかもっと高い子たちですよ」

出願条件に「評定平均値」は関係ないはずのA方式。なぜ評定平均値4.5前後の高い学生ばかり!?

ある大手推薦塾の講師もYouTubeで「慶應の法学部の総合型選抜で評定平均値3・0台で受かるとレジェンド」と話していました。実際、慶應義塾大学の法学部の総合型選抜のFIT入試の合格者の評定平均値は私が見たデータでも4・5以上がずらりと並んでいました。

慶應義塾大学の法学部のFIT入試には2つの形式があります。A方式は評定平均値がいくつ以上という出願条件がなく、B方式は評定が4・0以上が出願条件です。

そう聞くとA方式は評定が関係ないんだと捉えがちですが実際には違います。A方式の合格者も評定平均値が高い学生がほとんどで、4・5前後が多く、中には4・8や4・9というケースもあります。なぜ、そうなるのでしょう。

ある私立高校の進路指導の教師はいいます。
「慶應の法学部のFIT入試は対策がしやすいので、志望理由書や小論文はみんなちゃんと準備してくるから差が出ないんですよ。英検もみんな準1級を持っています。そうなると差が出ないので、評定平均値が高い順にとっていくしかないように見えます」

慶應義塾大学のような難関大学だけではありません。一般大学の医療系の学科が総合型選抜を開始すると、志願者が殺到し高い倍率になりました

学力試験や小論文を課しましたが、上位層はみな高得点をとったので差がつきません。そうなると、評定平均値が高い受験生が合格していきました。このように「ほかで差が出ない」場合は評定平均値の高さで決まっていくことも多くなります。

評定平均値が高くない場合、狙うべき私大は「関東」or「関西」

ほかの要素で差が出ない場合は評定平均値が高い学生が合格していきますが、志望理由書や英語資格試験、小論文などで差がつけば問題なく合格するケースが多いです。

慶應義塾大学の法学部の総合型選抜でも、突出してクオリティが高い志望理由書を提出した受験生は評定平均値3・5、英検2級で合格していました。MARCHに評定平均値3・1で合格しているケースもありますし、評定平均値3・0でも成成明学獨國武に合格しているケースはあります。

「日東駒専や大東亜帝国は評定平均値で合否が決まっていく」と話す新興塾や高校もありますが、大手塾に確認をとったところ「うちのデータを見るとそうではない」といいますし、ほかの塾で見せてもらったデータでも評定平均値のみで選んでいる様子はありません。

大東亜帝国のある大学の総合型選抜も、評定平均値4・6、英検2級で合格した受験生の志望理由書は正直「ゆるい」感じでした。反対に、志望理由書がしっかりと書けていた受験生は評定平均値が3・4、英検準2級でも合格していました。

また、関西の私大は基本的に評定平均値を評価しません。推薦塾の広告を見ていると「評定2・9で難関大学に合格!」という合格者例が出てきますが大抵は関関同立のケースです。

兵庫県の塾、阪神進学アカデミーの松田元気代表はこう話します。
「関西では高校間での評定平均値の付け方に差がありすぎるため、評価対象にしない入試も設けています」

関東の私大の総合型選抜では、ほかで差がつかない場合、評定平均値が高い受験生をとっていくことが多いですが、関西の私大はほかで差が付かなくても評定平均値で合否を決めない傾向があります。

関西は学力中心の推薦入試が長く行われてきました。「総合的な学力を見る」総合型選抜はまだ歴史が浅く、近畿大学を取材したときも入学センター事務部長・河原陽子さんは「これから総合型選抜を拡大していく」と話されていました。

そのため、関関同立や産近甲龍(京都産業大学、近畿大学、甲南大学、龍谷大学)の総合型選抜の結果を見ていても番狂わせが起きています。関関同立に合格した受験生が産近甲龍で残念な結果になりますし、上智大学や立教大学に合格した受験生が関関同立には受からなかったこともあります。

そういった番狂わせは関東の総合型選抜ではあまり起きません。関東の総合型選抜で残念な結果になった場合、その原因は私でも分析できるのですが、関西だと「どうしてこの子が落ちたのか」が分からない場合も多いです。

そのため、関西の大学の総合型選抜を受けてみないと分からない部分があります。反対にいうと、評定平均値や英語資格試験がいまいちでも合格する場合があるため、一発逆転が狙える場合もあります。

志望理由書をほぼ評価しない大学もあれば、英語資格試験を評価しない大学もあります。一方で、文系でも小論文で学力テスト要素が近い問題が出る場合もあります。どちらにしても小論文対策は重要でしょう。

評定平均値が高くない場合、関西の私大を受けるのは一つの戦略でしょう。

【関連記事】では受験ジャーナリスト・杉浦由美子 さんの著書から、大学入試における「指定校推薦」をテーマにご紹介しています。

>>>関連記事:【「偏差値低め」な高校のほうが、推薦入試に有利なことも!?】偏差値40の学校に早慶上智の「指定校推薦」がくるカラクリとは?

■BOOK:大学受験 活動実績はゼロでいい 推薦入試の合格法』杉浦由美子 ・著 1,892円(税込み)/青春出版社

■著者:杉浦由美子 (すぎうら・ゆみこ)

受験ジャーナリスト。大学卒業後、会社員を経て、2005年から取材と執筆活動を開始。現在は『ダイヤモンド教育ラボ』(ダイヤモンド社)、『東洋経済オンライン』(東洋経済新報社)、『ハナソネ』(毎日新聞社)、『マネーポストWEB』(小学館)で教育と受験をテーマに連載をする。ロングセラー『女子校力』(PHP新書)のほか、『中学受験 やってはいけない塾選び』(青春出版社)など著書多数。


《OTONA SALONE》

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